カラクリサイクル

『輝かしい青春』なんて失かった人の雑記

天から降り注ぐ著作権侵害の非親告罪化が創作文化をすべて滅ぼす

なんか一部報道で著作権侵害の非親告罪化を呑まされた、 という報道があったようですが、そのことで前々から、 僕が著作権侵害の非親告罪化について思っていることを書きます。


そもそも、二次創作物の無許諾公開は違法である

まず、現行法の整理ですが、2013年07月24日時点における、 著作権法においては、二次創作物の公開には、

  • 源著作権者の許諾が必要

となっています。

このため、もし仮に源著作権者の許諾を得ず、 無断で二次創作物を公開した場合、その公開行為は、

  1. 複製権
  2. 翻案権
  3. 同一性保持権

のいずれかの侵害と見なされる、という現状があります。 (Wikipedia: 二次創作物より)

それでなぜ、pixivに公開されているファンアートや、 いわゆる二次創作同人誌等が摘発されていないか、 というと、これは、

  • 著作権侵害罪は 親告罪 である

というのが大きな理由です。

それでこの 親告罪 というのは、一般的に、

  • 公訴を行う際に、告訴がなければ提起できない犯罪

のことを指し、著作権法に限って言えば、

  • 著作権侵害を立件するのに、被害権利者の訴え=告訴が必要

ということになります。

そのため、著作権侵害においては、著作権者の訴え=告訴がなければ、 そもそも犯罪として立件できない、という現実があり、 また、多くの著作権者が、表立って二次創作の公開は許諾できない、 とは言いつつも、実際に公開された場合には黙認する、 という姿勢をとっているため、いわゆるpixivのファンアートや、 あるいは二次創作同人誌が摘発されない、 ということになっています。

著作権侵害が非親告罪化されるとどうなるか

これは二次創作物に限って言えば、

  • 二次創作物の無許諾公開非公式な黙認一切不可能になる

ということです。

これは即ち、

  • 二次創作物を公開する際には、常に原作著作権者の許諾が必要となる

ということであり、また、

  • 二次創作物の無断公開は、すべて犯罪となる

ということになります。

また、ほかにも問題があり、例えば、

  1. 著作物の一部無断転載等の軽微な著作権侵害
  2. 他の著作物の一部を利用したパロディの公開
  3. 自身の著作物における、他作品へのリスペクト

といった行為が、一律に犯罪化される、ということがあります。

さらに言えば、我が国の著作権法には、

  • フェアユース(=公正な利用) という 概念がない

ため、著作権侵害の非親告罪化が実際に施行されれば、

  1. 軽微は著作権侵害であろうと
  2. 好きな作品等のちょっとしたパロディであろうと
  3. あるいは尊敬する他作品へのリスペクトであろうと
  4. それらはすべて、犯罪として扱われる

ということになります。

著作権侵害の非親告罪化があらゆる創作文化を破滅させる

そもそもこの記事のタイトルからして、 クロノ・トリガーのラ・ヴォスの攻撃の際に出るメッセージ、

天から降り注ぐものがすべてを滅ぼす

のパロディな訳ですが、 もし仮に著作権侵害が非親告罪化されたとなると、 これも多分犯罪となります

また、ここ最近のアニメ等において、各エピソードのタイトルが、 他の作品のパロディになっていたりすることや、小説等において、 その作家が敬愛する他作品のセリフ等を、小説の登場人物に言わせたり、 あるいは音楽作品等においては、ミュージシャンが、 敬愛する先の音楽家の曲をリスペクトした曲を発表する、等々、 著作物を創作する人々が、他の著作物の影響を受け、 時にはパロディにしたり、時にはリスペクトしたりして、 お互いに影響を及ぼしあって創作活動を行っている現実があります。

そして、

  • フェアユース亡き著作権侵害の非親告罪化

は、こういう創作家間の持ちつ持たれつを徹底的に破壊し、

  • 文化の健全な発達を促す著作権法が、文化の発達を阻害する悪法となる

と僕は思います。

以上

僕は前々から著作権侵害の非親告罪化には反対の立場ですが、 それはなぜかというと、同人云々というよりも、

  1. ブログ上での作品等の一部を利用したパロディ
  2. Twitter上でのアニメネタのジョーク
  3. 自分の創作におけるパロディネタの利用

の一切合切が摘発対象となる、ということに由来しています。

あと、僕としては、

  1. 著作権物等の利用において
  2. それが 公正な利用 な利用である限り
  3. 無許諾で著作物を利用できるようにするべきである

と考えています。

まあ何でもかんでも認めろ! と言うつもりは毛頭ない訳ですが、 いくら知財保護のためとは言え、 やたらめったら著作物利用に制限をかける、という行為は、 日本のコンテンツ文化の発展に対する、一種の害悪、 だと僕は思います。

ということでとりあえず今日の所は以上。終わります。